
ダンスの音楽は、覚える課題より楽しみの一つ
社交ダンスを始めると、今まで知らなかった音楽に出会います。ゆったりした歌声、弦楽器の流れ、思わず体を動かしたくなるリズム。同じ動きを習う日でも、曲が変わると気分が変わります。
初めから曲名や種目を当てられる必要はありません。「この曲が好き」「もう一度聴きたい」と感じたら、それが一曲との出会いです。レッスンで気になった音楽は、終わってから曲名を聞いてみましょう。
三拍子、四拍子。違いは耳と体で少しずつ
ワルツは三拍子の流れ、タンゴははっきりした音の輪郭、ルンバはゆったりした間。種目によって音楽の楽しみ方が変わります。同じ四拍子でも、スローとチャチャチャではずいぶん印象が違います。
聴いているだけでは分からなかったリズムが、少し習うと聞こえてくることもあります。反対に、曲を聴いてから踊る方が気持ちよく動ける日もあるでしょう。音楽と踊りを行き来できるのが、この趣味の面白さです。
種目ごとに一曲。まず聴いてみたい定番の音楽
曲名が分かると、聴いてみる楽しみも増えます。ここでは、ダンスで親しまれる曲や、その種目の音楽に近づく入口になる名曲を一曲ずつ紹介します。同じ曲でも編曲によって別の種目で踊れることがあり、曲と種目が一対一で決まっているわけではありません。
ワルツ:魅惑のワルツ(Fascination)
伸びやかな三拍子を味わえる、ワルツの定番。ゆったり流れる旋律に耳を傾けてみてください。
タンゴ:ラ・クンパルシータ(La Cumparsita)
タンゴといえば思い浮かべる方も多い名曲。はっきりしたリズムと、印象に残る旋律を楽しめます。
スローフォックストロット:フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me to the Moon)
ジャズの歌声を楽しみたい一曲。ダンス用の編曲では、滑らかにフロアを進む雰囲気を味わえます。
クイックステップ:シング・シング・シング(Sing, Sing, Sing)
スウィングの勢いが心地よい名曲。軽快なダンス用アレンジを聴くと、踊りの楽しさも想像しやすくなります。
ヴェニーズワルツ:美しく青きドナウ
ウィーンのワルツ音楽を代表する一曲。オーケストラの響きと、三拍子で回っていくような流れを楽しんでみましょう。
チャチャチャ:二人でお茶を(Tea for Two)
親しみやすいメロディーをチャチャチャのリズムで。ダンス用の編曲では、小気味よく刻む音を楽しめます。
サンバ:マシュ・ケ・ナーダ(Mas Que Nada)
セルジオ・メンデスの演奏などでも親しまれる、ブラジル音楽の名曲。歌や伴奏の重なりから、明るいリズムを味わえます。
ルンバ:ベサメ・ムーチョ(Bésame Mucho)
ルンバの音楽としても親しまれる、歌心のある一曲。長く伸びる旋律や、ゆったりした余韻が魅力です。
パソドブレ:エスパニア・カーニ(España Cañí)
パソドブレの代表曲としておなじみの一曲。はっきりしたリズムと劇的な盛り上がりが、踊りの世界を感じさせます。
ジャイブ:ロック・アラウンド・ザ・クロック(Rock Around the Clock)
軽快なロックンロールの定番。弾むようなリズムを聴いていると、体も動かしたくなるような楽しさがあります。
ジルバ:茶色の小瓶(Little Brown Jug)
親しみやすいスウィングの名曲。短い基本を二人で繰り返して踊る、ジルバの明るい雰囲気にもぴったりです。
ブルース:セントルイス・ブルース(St. Louis Blues)
ダンス用のブルースとしても編曲される定番曲。歌やジャズの演奏と、踊るための版を聴き比べる楽しみがあります。
曲名と「社交ダンス」「ワルツ」などの種目名を組み合わせて探すと、ダンス向けの演奏も見つけやすくなります。まずは好きな一曲を聴き、同じ曲の歌やオーケストラ、最近のアレンジも楽しんでみてください。
定番の名曲も、新しい歌声も楽しめる
ワルツの『Fascination(魅惑のワルツ)』のような定番には、長く親しまれる美しさがあります。一方で、新しい歌声や現代的な編曲、ポップスを使ったダンス音源にも素敵なものがたくさんあります。
同じ曲でも、楽器やテンポ、歌手が違えば印象が変わります。気に入った演奏者から別の曲を探したり、原曲とダンス用の演奏を聴き比べたりすると、自分の好きな音楽が広がっていきます。
踊るための音源は、題名だけでは決まらない
好きな録音をそのまま練習に使えるとは限りません。社交ダンス向けには、リズムや速さ、曲の長さを踊りやすく整えた音源もあります。実際に踊りたい曲が見つかったら、使いやすい演奏を講師と相談してみてください。
移動中や家でくつろぐときは、純粋に聴いて楽しめます。ワルツやルンバなどの紹介にも音楽の入口を載せています。次のレッスンが楽しみになる一曲が見つかるとうれしいですね。

